ご自宅の新築を機に、薪ストーブの導入をご検討の方から質問をいただきました!ありがとうございます。私も新築のタイミングで薪ストーブを入れましたが、導入に当たっては本当に悩みました。知り合いにストーブを入れているお宅も無く、不安だらけだったんですね。
薪ストーブ導入にあたり、不安に思っていたことをまとめてみました。
薪ストーブはエアコン、ファンヒーターよりメリットはあるの?
まず、金銭的なメリットでいいますと、薪ストーブの運用はとてもお金がかかります。導入~運用~メンテナンスと湯水のようにお金が飛んでいくのは覚悟していなければなりませんね^^;
ただ、煙突掃除やストーブ本体のメンテナンスなど、自分で実施することで出費を抑えることはできます。ストーブユーザーの中には、そういったメンテナンスも含めてストーブを楽しんでらっしゃる方が多いんですね^^
薪ストーブ導入費
我が家ではバーモントキャスティング社のアンコールという薪ストーブを導入しました。「料理上手」と言われる薪ストーブで、ピザや煮物などに便利に使っています。
アンコールを新品で導入した際の大まかな金額を下記に載せています。ストーブは本体より煙突が高価なんですよね^^;(煙突の曲げ具合や長さによります)
薪ストーブの導入・設置費用 いくらかかるの?アンコールの場合
薪代
薪を買うことになった場合、年間の暖房費としての出費はエアコンやファンヒーターの比ではありません。1日のうちで何時間薪ストーブを焚くかにもよりますが、我が家の場合で計算した金額は1シーズン約12万円!!これがほぼ毎年かかってきますし、+αでストーブのメンテナンス料(煙突掃除やストーブ本体の部品交換など)がかかります。
薪を買うことになった場合は、ふるさと納税の返礼品などのシステムを上手に使うなど、できるだけ安く薪を入手する経路をいくつも持っていた方が良いですね。薪代がかかりすぎて薪ストーブをやめてしまうお宅も多いようです。
薪をお得に買う方法 ネット購入ならふるさと納税を使わなきゃ損!
薪ストーブは本当に暖かいの?
「薪ストーブは暖かくない」「家中を暖めるのは無理」などという意見も見かけますが、薪ストーブを導入する家は、それべし造られていなければ、薪ストーブの本領は発揮できません。
家の新築で薪ストーブを入れられる際は、薪ストーブの位置や断熱構造・気密構造をしっかり考慮したうえで”薪ストーブを焚く家”を設計してもらわなければ、せっかくの薪ストーブもエアコンやファンヒーターと併用しなければ寒くて仕方ない家になってしまいます。
薪ストーブの暖房能力は適正に運転出来れば、アンコールで言えば50坪程度の家を丸々暖めるほどの能力を持っています。実際我が家では冬にエアコンは一度も入れません。ファンヒーターも持っていません。その代わり、薪ストーブはガンガン焚きます。シーズン中薪ストーブが完全に鎮火するような日が無いような焚き方をしています。薪量も相当なものです・・・。
非常に暖かい薪ストーブですが、アナログな暖房機ゆえ温度コントロールは苦手です。特に2階建ての家では、2階ばかりが熱くなり、乾燥し、冬でも半袖で寝ることになるでしょう。このあたりは、薪ストーブを運転してみて初めて気づく問題点です。
人間が過ごしやすい適温をストーブに求めては、「こんなはずではなかった」となってしまいそうですね。
薪ストーブの運用は手間がかかるの?
薪ストーブの運用は手間がかかるものです。1日のうちで朝や夜しか焚かないような運用方法だと、毎回火おこしが必要ですし、これがまた手間です。薪ストーブはさっそくには温度が上がって来ません。基本的に250℃前後で焚く薪ストーブですが、この250℃に達するのに40分くらいかかるでしょうか。。。その間は寒いわけですね。ファンヒーターが恋しくなるでしょう(笑)
また、燃料になる薪はなくなれば薪棚から室内に運び込まなければなりません。我が家でも1日に2、3回は運び込むでしょうか。乾燥はしていても薪は重いものです。これを年老いてもずっと続けるのかと思うと、ちょっと心配になりますね。若いうちはきになりませんが。
また、ストーブを焚きだすまでは失念しているものですが、薪ストーブには「灰処理」という問題も付いてきます。焚き方にもよりますが、ストーブ炉内の灰は2~3日でいっぱいになりますので、取り除く作業は必須です。
薪ストーブの灰を燃えるゴミで出して、火災を起こしたなんて話も聞きますので、灰の処理には慎重を期す必要があります。灰は意外といつまでも熱を帯びていますので、2週間くらいは冷やしたいところですね。
灰の再利用には下記のような方法もあります。
煙突火災や煙による近所からの苦情も
薪ストーブの運用で一番気を遣うのは「火災」と「においの苦情」ですね。ストーブに適した薪(乾燥具合や適材)を使用することで、煙突火災には注意できます。しかし、取り灰からの出火も注意すべき点です。上記でも述べていますが、薪ストーブを導入する際は灰の処理まで考えて導入しなければ、”灰を燃えるゴミで出さなければならない”という事態になります。
また、近所からのにおいの苦情が一度出てしまうと、ストーブを焚きづらくなってしまいます。薪ストーブは焚き始めなどは特に煙もにおいも出ます。ご近所から「洗濯物ににおいが付くのでストーブをやめて欲しい」などと言われ、薪ストーブを泣く泣くやめるご家庭もあると聞きます。
においは感じ方が人それぞれです。自分本位の感覚でご近所づきあいまでギクシャクさせたくないですよね。
さいごに
薪ストーブは導入前に理解しておくべきことが非常に多くあります。特に薪の入手性と、におい&火災への配慮は、導入後の運用にも響いてきます。
かさむ薪代や温度管理の融通の効かなさは、薪ストーブの大きなデメリットといえます。しかしながら便利になり過ぎた現代において、少しばかり不便でも薪ストーブの炎の揺らめきを見つめ、心安らいで今の生活に感謝できるような時間を持てるのならば、それはお金以上の価値のあることだと考えます。
火のそばには自然と人(家族)が集まりますし、薪を自身で調達することになれば、毎年”薪づくり”という家族イベントが発生します。家族団らんの時間が確実に増えるのも薪ストーブの良いところです。
薪ストーブ導入前にそこまで思いを巡らせられるケースは稀かもしれませんが、導入検討の際のご参考にしていただければ幸いです。
コメント