さてさて、2021年も待ちに待ったストーブシーズンがやってまいりました。
我が家では10月から焚き始めており、ストーブ導入当初、律儀に守っていた「今年の火入れの日はいつかな~??」といった習慣もなくなっております。夏でもストーブのことで頭がいっぱいです。
そんな ”薪ストーブのある豊かな暮らし” をお届けする目的で書き始めた当ブログですが、近年のコメント・メッセージといえば、
- お前が薪ストーブブログなんか書くからストーブユーザーが増えて迷惑だ!
- 近所の薪ストーブの煤(すす)が酷くて窓を開けられなくなった
- 薪ストーブのトラブルで泣く泣く引っ越した
- 近所の薪ストーブの煙に対しての苦情をどこに言ったらいいかわからない
と言ったお叱り・お困りのものばかり。。。そのほとんどが、「ご近所の薪ストーブに参っている」という行き場のない怒りや嘆きでした。
薪ストーブを愛するものとして、上記のような薪ストーブ自体の評判を落とすようなケースが増えてくることは望みません。何かできることがあれば、、、と思いこの記事を書いています。
薪ストーブは近隣の方々の生活を脅かす暖房機である
これから薪ストーブ導入を考えられている方に、本当に本当に肝に銘じていただきたいこと。
それは、
薪ストーブは、どんなに上手に焚いても煙・におい・煤(すす)・灰が出るもの
ということです。
「当たり前やないの~」と言われそうですが、これ、ストーブ好きには我慢できてしまうんですよね。基本、ストーブ焚くときは家内におり、煙もにおいも煤も実感することが少ないですし。
問題は、煙突は家の外にあり、煙(煤・におい)はご近所に向かっていくということです。
工務店やストーブ屋さんなどは商売ですので、これらのデメリットを声高に言うことはありません。
「上手に焚けば、そんなに匂いませんよ~」などといった言葉を信じ、住宅地で薪ストーブを入れてトラブルになるケースが増えているようです。私も家を建てるときに薪ストーブのトラブル事例の紹介は受けませんでした。
実際、上手に焚けば少ない煙量・少ないにおい・少ない煤量などでのストーブ運用も可能だと私も思っています。
が、、、
それには、煙の少ない機種の選定や良質な薪の調達、適度な炉内温度の維持、プロによる確実なメンテナンスなど条件が揃ってのこと。
これらの最適な運転条件を守っても出てくる煙やにおい。自分で出してもいないものが自宅に入ってくることを、笑顔で受け流せる人などいますか?
相手に我慢させる暮らしが、あなたが求める「薪ストーブのある豊かな暮らし」なのでしょうか。
当ブログへの悲痛なコメントの数々を拝見し、このままでは薪ストーブをきっかけに不幸になる人が増えてしまう!という危機感を持っています。
コロナで在宅時間が増えている=トラブルも増えている
コロナを期に、当ブログへの「困った」コメントが増えています。
どうも在宅勤務が影響しているようです。
コロナによる在宅勤務は、家で薪ストーブを焚く人の時間も、そしてその薪ストーブの煙に苦しむ人の時間も増やしてしまったんですね。
ちょっと空気を入れ替えたくて窓を開ければ隣の家から薪ストーブのにおいや煤が・・・となれば仕事どころではありません。人に会えない、移動制限が続く状態でストレスが溜まっていますので、その上近所からの煤が・・・においが・・・ではダブルパンチ、トリプルパンチといった状態です。
薪ストーブが人を癒やす暖めるどころか、攻撃するものになってしまっているのです。
実際に当ブログに寄せられた苦情内容は、
- においがキツく洗濯物が干せない
- におい・煤がひどく、窓を開けての換気ができない
- 煤が入ってきて、空気清浄機を2台も買い替えた
- 隣の薪ストーブ煤で、毎日自宅床が真っ黒になる
といった「泣き寝入り」状態のものもあれば、
- 苦情を言ったら、近所にあることないこと吹聴された
- 苦情を言ったら、泣き落としされストーブをやめてもらえなかった
- 苦情が聞き入れられず、引っ越した
といった、人間関係のゴタゴタにまで発展し、結局住み慣れた家を離れざるを得なくなってしまったケースまであります。
まだまだコロナは収束が見えませんし、現在進行系で泣き寝入りされている方も、相当数いらっしゃるのではないでしょうか。。。
コロナでたまたま顕在化したストーブトラブルですが、薪ストーブはこのようなデメリットを孕んだ暖房機であることを、導入前にしっかり自覚できるといいですね。
本来は、こういったご近所トラブルが想定される立地の住宅へのストーブ施工を、成功業者側がしっかり説明し、トラブルを未然に防ぐことが筋かと思います。
国産薪をストーブで焚けばカーボンニュートラルですし、暖房に電気・化石燃料を使わない暮らしは奨励されるべきですが、薪ストーブの運用は特に場所を選ぶことの理解が今ひとつ進んでいない現状があるようです。
薪ストーブのご近所トラブルになりにくい立地条件
私の知る薪ストーブユーザーで、ご近所とのトラブルなく運用されている例から、適切な立地・運用条件を探ってみましょう。
以下が全てではありませんが、当てはまらない場合はご近所とのトラブルを抱える確率が高まると考えます。
1.ご近所が離れている
薪ストーブの煙やにおいが届く範囲にご近所が無いようなケースでは、自宅の外に出る煙の心配は無用ですね。
だからといって、適切な薪ストーブの運用を怠ってよいわけではありませんが、着火や薪足しの際に出る煙にもビクビクすることなく焚ける環境というのは理想的です。
2.ご近所の理解が得られている
周りが薪ストーブユーザーばかり、また野焼きや家庭の焼却炉、薪風呂等の生活習慣がある地域では、わりと「におい、煤、煙はお互い様」になっており、薪ストーブ煙への理解が得やすい場合があります。
我が家もこのケース。典型的な田舎であり、近所に薪ストーブユーザーが多く野焼き習慣が残っており、薪ストーブが苦情の対象にならないありがたい土地柄です。
3.ほとんど焚かない
最初から薪ストーブを「オブジェ」として導入し、ほとんど焚かないようなケースでも苦情にはなりにくいですね。
年数回のホームパーティなどのイベント時に少し焚く、くらいであれば、事前に薪ストーブに火を入れることを通達などし、「イレギュラー」として理解していただける可能性は高そうです。
日頃のご近所付き合いが良好であることは言うまでもありませんが。
他に条件が思いあ割りませんが、つまるところ薪ストーブ導入にはかなり厳しい導入条件があると考えて頂いたほうが良いです。
「街なかの住宅地で薪ストーブ入れてガンガン焚いてるけど、苦情言われたことなんが一度もないよ~」みたいな人がいれば、それは本当に上手な焚き方&良いご近所付き合いをされている方か、ただご近所を泣き寝入りさせている方かのどちらかですね。
運転上手な方とお知り合いなら、ぜひその焚き方のレクチャーを受けてください。
関連記事:薪ストーブの煙・煤・匂いで苦情を言われたら【運転方法再チェック!】
さいごに
薪ストーブを導入してしまったら使いたくなるのは当然です。だからこそ、導入前に考えていただきたいのが「薪ストーブによる近隣住民の方への負荷」なのです。
高額の導入費用をかけてまで入れた薪ストーブがご近所トラブルの元になってしまうなんて悲しいことですし、誰も望んでいませんからね。
当記事を ”今まさに薪ストーブを導入を考えている方” に届けることは難しいのかもしれませんが、「光が強ければ影も濃い」と言われるように、自分たちの求める暮らしの影響範囲を俯瞰して考える時間を持っていただけることを願っています。
私は、薪ストーブの専門家でもベテランストーバーでもありませんが、導入前のご相談に乗れることがあるかもしれません。
ちょっと不安があって話してみたい、ということがありましたらこちらからお気軽にご相談ください。メールでのやり取りの他zoomなどのオンラインミーティングでも対応できますm(_ _)m
実は、あまり薪ストーブについて語れる場所がなく、「誰かと話したい」という思いもあります(笑)
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